田舎の長兄から、月々充分の金を送ってもらっていたのだが、
ばかな二人は、
贅沢を戒め合っていながらも、
月末には必ず質屋へ一品二品を持運んで行かなければならなかった。
とうとう六年目に、
Hとわかれた。
私には、
蒲団と、
机と、
電気スタンドと、
行李一つだけが残った。
君は学校はどこです東京です東京?それじゃもう始まっているんじゃないかええなぜ帰らないんですどうしても落第点しか取れない学科があるんでいやになったんです。
‥‥それから少し都合もあって君は絵をやる気なんですかやれるでしょうかそう言った時、
君はまた前と同様な強情らしい、
人に迫るような顔つきになった。
輸入お前心得違いをしてはならないよ。
深田にいさえすればどうもこうも心配はいらないじゃないか。
厭と思うのも心のとりよう一つじゃねいか。
それでお前は今日どういって出てきました別にむずかしいこと言やしません。
家へいってちょっと持ってくるものがあるからって、
あやつにそう言って来たまでですそうか、
そんなら仔細はないじゃないか。
少しは家事の手助けもするものですと魚容の顔をめがけて女のよごれ物を投げつける。
魚容はそのよごれ物をかかえて裏の河原におもむき、
馬嘶て白日暮れ、
剣鳴て秋気来ると小声で吟じ、
さて、
何の面白い事もなく、
わが故土にいながらも天涯の孤客の如く、
心は渺として空しく河上を徘徊するという間の抜けた有様であった。
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